家賃補助のある世界を

ビジョンは壮大だけど福利厚生は全くないベンチャーに就職予定の大学四年生が、ブログ収入で家賃補助を創出しようとする話。

「怒り」を観て、みんなで怒ろうよ

「君の名は」だったり、「シンゴジラ」だったり話題作連発の東宝ですが、個人的に必見だと思ってるのが「怒り」です。

 

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あらすじは省略しますが、この「怒り」

 

「殺人犯でも愛せるか?」

 

という、結構衝撃的なキャッチフレーズをぶつけてくる映画です。

 

で、ですね、本題です。

ぼくはけっしてこのブログで映画の素晴らしさを純粋に伝えたいわけではないんですね。

 

ぼくが注目したいのはこの映画の舞台の1つである沖縄の描写です。

 

ぼくはこの映画、沖縄が抱える問題、そしてその問題に対しての若者の葛藤を見事に描き、本土の人々にも問題提起をしていると思っています。

では、その沖縄の抱える問題とはなにか。

 

もちろん、在日米軍基地問題です。

戦後70年経ったいまも沖縄という小さな島に在日米軍基地の74%が集中し、米兵による犯罪、環境破壊などを引き起こす要因として、長い間沖縄が抱え続けている問題です。

 

「怒り」はこの問題に対して、沖縄の若者たちが抱く、基地をなくしたいけどなにをしても変わらない、声ををあげることに意味があるのかといった葛藤をたつや、たつやのお父さん、いずみ、たなかさんを通じてぼくらに訴えかけてきます。

 

 

そしてこの映画では特に、たつやが恋心を寄せる女の子いずみが米兵にレイプされるシーンを通じて上記の葛藤を描き出してます。

いずみがレイプされたことを機にたつやの米軍基地への怒りは頂点に達し、いずみのためにもなにかをしたい、でもなにもできないという葛藤に苛まれることになります。

 

そして、そのたつやの葛藤をさらに深めるのが、レイプされた直後にいずみが連呼した「だれにも言わないで」という言葉。

 

この事件の犯人を憎み、いずみのためになにか行動したい、でも「だれにも言わないで」の言葉でなにもできず深まるたつやの葛藤。

 

そして、これら一連のシーンをみて、きっと多くの観客は米兵、そして米軍基地に対して「怒り」の感情を覚えるはずです。

 

ところが…

 

その多くの観客、もちろんぼくを含む本土の人間が日常生活の中で米軍基地に「怒り」を覚えたってことはないでしょう。

あくまで映画のなかでそのシーンをみてはじめて「怒り」を抱いたって人も多い気がします。

このシーンは映画のなかの話しではなく、長年沖縄で起き続けていることなのにです。

 

 

ここから感じるのはどれだけ本土の自分たちが沖縄の現状を理解していないのか。

同じ日本にも関わらずいかに他人事として扱ってるのか。ってことです。

 

沖縄ではあのシーンのように、もし自分のことだった物凄く「怒り」を覚えることがたくさん起こってる。

 

もし自分がたつやだったら、もし自分の好きな人がいずみのような目に遭ったら…

少し当事者意識を持つだけぞっとする。

 

そんなぞっとするようなことが起きないように、沖縄基地問題はじめ、政治に関心持たなきゃいけないなと、この映画をみて思いました。

 

世の中の色んな問題を他人事とは思わず、当事者意識を持てば、きっと世の不条理に「怒り」、行動していけるのではないのかなと思う次第です。